中野信子 シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感
シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感
ちょっと気になったので買ってみましたw
オキシトシンという、愛し合ったり仲間を大切にしたいという気持ちを高める愛情ホルモンがあるのですが、この作用の話が興味をひきました。
このオキシトシンというホルモンは愛情ホルモンということで一見いいイメージに捉えがちですが、時には困った現象を引き起こします。
たとえば「仲間になったと思った人が仲間になったと思ったのになんなの!許せない」、という裏切り行為によって一気に攻撃を加えようとする。そのきっかけになるのが妬みの感情ですが、これを強めるのがオキシトシンと言われています。仲間を守ろうとする感情が根底にあるはずなのに、仲間内で同じだけの仕事をしているのに、相手のほうが報酬をたくさんもらえてる=どうして→不正じゃないか→正さなくては・・といった感情の循環を生みます。
たとえば「不倫をたたく」行為がこれです。
不倫といえば一般的には「よくない行為」とされています。それはどうしてか?それは「みんなの信頼関係に対してただのりして自分だけ楽しんでいる」事だと中野さんは言います。正さなければ社会がおかしくなるんじゃないか、という不安。社会がどうにかなっちゃうんじゃないかという不安を高めるのがオキシトシンです。皆が幸せになるために仲間の秩序を正常に保たなくては、という気持ちから、裏切っている人をいちはやく検出し行動を改めさせようとするのです。
みんなで仲良くしていることに幸せを感じるというそもそもの機能がこのような行為を生み出すという仕組み。
「給食費を払わない」といった行為も同じで、フリーライダー(ただのり)を排除しようとする心理によるものです。
私自身は他人は他人、自分は自分、と思う傾向が強いのであまりそのような感情は抱かないほうだと思いますが、これは全人類誰もが持っている感情であると中野さんはいいます。程度の差があるってことなんでしょうね。
逆にあまりそのような感情を抱かない人というのはオキシトシンが少ない、つまり愛情ホルモンが少ない人、だと言えるのかもしれません。
がーん。
中野信子さんのお話には共感できる部分もたくさんありました。興味がある方はぜひ読んでみて下さい。